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京都府第5回児童ポルノ規制条例検討会議 傍聴レポート②

ご注意:この記事を引用される場合は、必ず引用元ととしてURLを書き添えてくださいますよう、お願いいたします。


京都府第5回児童ポルノ規制条例検討会議

平成23年1月31日(月)

議題
(1)児童ポルノの取得・所持の禁止について(意見交換)
(2)関係者の責務について(意見交換)
(3)その他

出席委員:土井真一(座長)、安藤仁介、梅原義範、大杉光子、岡村久道、高山佳奈子、津守俊一、山内康敬

資料:こちらよりダウンロードしてください。→ 京都府第5回児童ポルノ規制条例検討会議・配布資料



事務局:それでは第5回検討会議を始めさせていただきます。本日の傍聴者は3名おられます。

土井座長:まずは高山委員からたたき台の説明を。

高山委員:【児童ポルノ規制案(たたき台)】2ページの「4 規制内容」の表をご覧ください。案の1←案の2←案の3と、下から上に行くほど厳しい規制になっています。

(1)対象児童年齢
13歳未満は、性的行為自体が犯罪となる。同意の有無にかかわらず、性的自由の侵害と捉えられるので、最も保護の必要性が高い。18歳前後は、結婚または結婚を前提とした交際や性的行為は、むしろ幸福追求権の範囲。全面禁止はできない。段階的な規制として案の3があるが、中間の15歳や16歳の年齢は画像からは判断しづらい。案の2は、取締りの実効性と外形的に明確。

(2)対象画像形態
1号・2号は、13歳未満に対してはそれ自体が犯罪に当たる。3号の対案として、「児童に対するわいせつ行為画像」。1ページ②「児童に対するわいせつ行為が写っているもの(例:衣服や顔に精液をかける行為等)」。ただし、国の児童ポルノ法と別の定義、国の法律との整合性、もっと明確にする必要。廃棄命令の対象は、3号のままでは広くなる。3号のうち、「全裸及び性器を露出」に限定したのが案の②。比較的明確で、廃棄命令や削除してくれといいやすい。

(3)取得・所持の範囲
1ページ下の表。犯罪立証性と取締りの実効性。単なる取得・所持の禁止は、メールで送りつけられた場合など冤罪のおそれ。単純所持は客観的に本人の意思が判明しない事がある。
案のAは、国の児童ポルノ法で処罰していないことにした行為を条例で処罰する問題。案のCは、有償取得は、対価を支払っていれば自分の意思で取得したことが外形的に明らか。有償は需要・供給と虐待を誘発する。「有償」の対価は金銭だけでなく、物品も含む。物品の中に画像も含めて解釈される。出会い系サイト規制法の「対償」を参考。廃棄命令・単なる禁止は、既にある画像の流通を食い止めることが中心。どうやって取得したかはあまり重要ではない。
※正当な理由がある場合は刑法35条で除外される。

5 罰則内容
淫行は児童の身体への直接的加害。児童ポルノ取得・所持はそれより間接的。他の法律
との整合性・バランスが必要。

6 適用上の注意
権限濫用禁止規定が必要。

土井座長:今のたたき台について質問は?

津崎委員:「有償」に画像の交換を含むのか詳しく教えて下さい。

高山委員:マニア同士の交換を想定している。マニア同士が両方とも児童ポルノを交換し合っているときは、「提供」目的所持で、現行法で処罰される。それに含まれない行為について、有償より広げるかは私もまだまとまってない。

大杉委員:有償よりも広げるというのは?

高山委員:金銭でない物品、お金以外の対価。

土井座長:金銭だけでなく物品その他経済的利益の供与を含む。

津崎委員:マニア同士の交換は便宜供与と捉えるのか?

高山委員:私も実際どうやって交換してるかまで把握していない。1対1でなく、一定のメンバー内部で交換は提供目的所持で処罰可能。児童ポルノ以外のものを対価として提供することを含めるかが問題。

土井座長:「提供」目的所持は、児童ポルノ画像同士を交換で現行でも処罰。「対償」は、児童ポルノ画像同士の交換に限られない。一方が児童ポルノを送信し、他方が成人のポルノその他経済的利益がある画像を送信している場合も含まれる。

大杉委員:金銭以外の経済的利益は明確性の問題がある。

高山委員:出会い系規制法の「対償」は、ブランドバッグなど高価な物品が典型。条例で現行法に入らない脱法的な利益を対償として規制する可能性・必要性が現実にあるか考え中。

岡村委員:所持には「電磁的記録の保管」も想定しているのか?

高山委員:これまでの検討会でなかったので、たたき台の案として出したが、積極的に電磁的記録を入れる趣旨はない。

岡村委員:ファイル交換ソフトで画像交換はけしからん。製造に関与していないPC内の画像は、外部から持ってくるとか、インターネットのやりとりは、「所持」なのか「電磁的記録の保管」に当たるのか、構成要件の明確化が必要。

山内委員:案のA「取得・直罰」は、「所持・直罰」も含むか。取得した画像を捨てたときは直罰の対象になるか?

高山委員:その場合、取得した時の行為のみ処罰。所持では罰しない。

大杉委員:案の②の廃棄命令はどういった場合を想定?

高山委員:行政やプロバイダに消して欲しいと頼むときに使える。

大杉委員:廃棄命令を出す主体は、裁判所か知事か?どのような手続か?

高山委員:ストーカー行為規制法を念頭に置いている。被害者の申し出に対して、警察が加害者に警告を発する。禁止命令にも従わないときに罰則。児童ポルノの場合は、被害児童の申し出があれば、行政が廃棄命令を出して、違反に罰則。

土井座長:行政が主体。裁判所ではない。間接罰のほか即時強制も考えられる。担当部局の確定まではこの検討会議では決められない。

岡村委員:1ページ(3)取得・所持の範囲について、電磁的記録は、メールで送りつけられたとき、取得・所持の両方に当たる。どちらも冤罪の危険性がある。究極的には「故意」の立証だけになるという問題。

高山委員:ご指摘の通りの問題はあります。表の備考欄には字数がなくて書けなかった。

土井座長:みなさまの意見をうかがっていきます。山内委員は?

山内委員:実際に機能することを考えると、年齢は13歳未満。識別のしやすさは案の2。児童の保護を考えると画像の形態は3号まで考えた方が良いかもしれないが、まだ保留。取得・所持の範囲は、案のBと案のCとで悩むが、無償取得の冤罪の可能性では、案のCが妥当。

大杉委員:廃棄命令のアイデアはいいが、どのような形になるか具体的な制度案が出ないと判断できない。実質、廃棄命令の対象は単純所持しか想定できない。所持者が「いらない」ということで自ら廃棄したら問題なさそうだが、第三者の所有物であったときは適正手続の点で問題がある。たとえば、弁護士が裁判の証拠として保管していた画像だったときに困る。罰則をつけなくても対象の明確化は必要。13歳未満・1号・2号なら明確。3号は「衣服の一部を着けない」も入って不明確。家族や幼児の全裸写真。中高生の水着。撮影した人にそんな意図はなくても、見る人によっては性欲を刺激興奮させるものであったとき、線引きが難しい。現段階で直罰すべきでない。啓発として単なる禁止はあり得る。

大杉委員:実際の児童の保護の状況を尋ねたのだが、府警本部は被写体の人物を特定したときは被害支援センターにつなぐと言っていたが、一方で児童相談所や被害者支援センターの方の話では、実際に児童ポルノ被害の相談受付はなかったと聞いている。府は被害者支援の団体と連携ができていない。第2回で求めたがまだ報告がない。やるべきことをちゃんとやってないのに、冤罪の弊害もある直罰は時期尚早。知事の公約で出たから刑罰だけ作って達成されたことにして、実際の児童のケアが進んでなかったら、順序が違う。

土井座長:廃棄命令について、「私の物じゃない」と主張したとき、遺失物法で警察が預かって公告することになる。第三者が所有権を主張したとき、正当な理由があれば第三者のものになる。誰も名乗り出なかったら、警察が取得して廃棄する。

津守委員:青少年健全育成の現場の人の90%は広く厳しく規制して欲しいという意見。現場は抜け道ばかりで後追いで苦労している。法律案の1、2、3とパターン化して、冤罪や年齢制限の問題もあることは理解はするが、たとえば小学生が女性教師に暴言吐いて蹴り上げて「わしを殴れないだろ」と挑発する子どもが何人もいる。子どもを被害から守ろうと思いながらも、法の網の目から漏れないよう規制をかけられないか苦心している。

岡村委員:児童ポルノはあってはならないが、冤罪の危険もあるのは事実。私の専門はインターネットなので、その辺を考えると、PC内の保管は「所持」、メールの送りつけは「取得」と解釈される可能性が高い。必ずしも条例は児ポ法の解釈と同じになるとは限らないが、ハードディスクは「わいせつ物」にあたるという判例もある。電磁的記録を含むときは、そうした既成の文言に含める解釈をすることになるのかどうか。迷惑メールが一杯来るが、気付かずに紛れ込んでいた場合、弁護士が懲役になると人生終わる。一方の人権と他方の人権の調整を考えなければいけない。小児性愛行為はけしからんと思う反面、厳格な限定は必要。3号の対案「わいせつ行為が写っている」に代わって「性的犯罪行為に係る」という限定を提案したい。取得・所持の範囲は、電磁的記録について私自身の結論は出ていない。「故意」の立証は容易でない。直罰にするとしても有償取得に限定。インターネットは国法で議論するのが筋。条例が抽象的になるのはやむを得ないが、もっと被害児童救済の具体策を明確にする。自治体や地域社会で被害者支援に具体的に行うことを条例で大きく取り上げてもらいたい。

津崎委員:児童福祉の実務からしますと、いかに子どもは無力で一方的な被害を受けているという実情。大人はとかく理由を付けて正当化したがる。子どもはそれができない。できれば子どもを性的な対象にすること自体をやめさせたい。とはいえ、法律でやるには限界があることは承知している。13歳未満は無条件に刑法の対象となるから、案の2は明確で妥当。案の3の中間は不要。対象画像形態は、曖昧さがある。具体的に何が該当するか例示が欲しい。性器さえ写っていなければいいというわけではない。お尻が丸出しになっているのは入らないというのはおかしい。案の②が妥当。取得・所持の範囲は、案のBかCが妥当。無償取得をどうするか、具体例が分かると判断できる。無償でもマニア同士の交換でエスカレートして画像の製造が広まっていくとすると問題。無償取得のプラスとマイナスの影響を比較する。廃棄命令でワンクッションおくのは現実的。

高山委員:これまでの法律にないものについて、児童を被害から守ることからすると、取り締まりの対象として明確なものと悪質なものを規制。ただ厳しくするだけでは、対立する利益が損なわれる。家族、結婚を前提とした者同士の記録写真、表現の自由、芸術的価値とのバランス。13歳未満への性行為は即犯罪だから、13歳未満かつ1号・2号。さらにマーケットが広がる悪質性から有償取得を規制する。写真を撮った友人から無償で受け取った人がいるが、被写体児童がその人にも画像を消して欲しいという場合に廃棄命令で対応する。ただし、国法の範囲より広がるのは限定的にすべき。

土井座長:安藤委員と梅原委員から事前にご意見を頂いております。

安藤委員の意見(事務局読み上げ):大前提として児童ポルノ流通・拡散により被害を受ける児童をなくしていく目的をしっかり。国際的に見て日本の児童ポルノに対する規制は緩いので、憲法に違反しない範囲でできるだけ厳しく規制。案の2、案の②、案のCが妥当。誰が見ても悪質な全裸や性器露出を対象にした案の②は適当。廃棄命令の画像は合理的に可能な限り広く取って欲しい。ただし、案のCに加え、マニア同士の無償の交換も直罰。

梅原委員の意見(事務局読み上げ):基本は18歳を基準。児童の人権を守る流れから、単なる禁止の対象には、府の姿勢として、裸だけでなく、顔に精液をかけるのも対象。罰則の弊害は理解している。廃棄命令は罰則の担保が必要。教育現場では信じがたいことにも遭遇するから、児童の保護に一歩踏み出して欲しい。直罰の範囲の限定は必要だが、できるだけ広めに。規制だけでなく被害児童支援をやってほしい。府民の通報受付と関係機関の連携を条例に。

土井座長:各委員の意見を整理。禁止について、児童ポルノの取得・所持は許されない。電磁的記録も含めて考える。対象画像は、基本は18歳未満で、1・2号は異論ない。3号は慎重な意見もある。おおかたの意見は3号も含める。「児童に対するわいせつ行為を写した画像」は、国法が対象としていないので、その点の整合性を図ることも必要。廃棄命令の具体化は課題だが、必要性はおおむね認められた。罰則がどこまでかはまだ幅がある。3号を外す意見。案の②に限定する意見、3号のうち全裸と性器露出を対象とする意見も多い。一次的な権利侵害は製造行為。明確に重大な権利侵害である13歳未満の児童に対する性犯罪で作られる画像の製造を積極的に助長する行為に刑罰は妥当。
典型は13歳未満の1号・2号の画像を有償取得。マニア同士の無償の交換も対象とすべきという意見もあった。取得行為について直罰の意見は多い。現段階での直罰を疑問視する意見もあった。取得の対価を金銭に限定するかも問題。児童の権利侵害の救済、被害防止を重視すると、いたずらに刑罰のみに力を入れることは適切でないという意見は傾聴に値する。現実の被害児童の救済を充実することも重要。法と道徳の問題もあるので、何でも強制力に頼るのでなく継続的な啓発も重要。そろそろ報告書のまとめに入る。次回は座長原案を提示して審議をする。

岡村委員:訂正。電磁的記録は、現行の法律では解釈で入りかねないので、条例より国法で検討するのが筋。私は積極的に賛成していない。もうひとつ、児童のケアに否定的な人は1人もいない。積極的に進めて欲しいという意見が大多数。

大杉委員:画像の被写体の本人が持ってる場合、あるいは本人が承諾した相手のみが持っている場合は、被害があるとは観念できないので対象から除外すべき。ただし、同意の撤回は可能。特定の相手に承諾していても、子どもが大人になってから親に捨てて欲しいということはできる。

津崎委員:子どもは大人の意見に左右される。力の強い大人に誘導されてしまう。子どもの同意があるとすることは危険。

土井座長:関係者の責務について5分程度意見をうかがいたい。

大杉委員:児童のケアについてもっと力を入れるべき。被害児童や保護者に対してどこに相談すればいいか窓口を明確にして広報する。子どもと接することが多い学校や幼稚園の先生、職員の研修をして体制を整備。子どもへの教育・啓発として、性教育、相手の性を尊重する、抑圧や束縛をしないといった教育をしていく。インターネット教育の充実。大人への啓発。直接手を出さなければいいという問題ではない。児童のケアや教育・啓発活動について府の報告がなかったのは非常に残念だ。

岡村委員:具体的に何をしたら良いかは、児童福祉がご専門の大杉委員、津崎委員にまとめてもらいたい。門外漢として言えば、経済的な心配をせず心理的なケアができる機関を。京都は大学が多いので、ちゃんと予算をつけて府が大学の専門家と連携、弁護士会と提携して削除依頼について相談に乗るなどの具体案を盛り込む。状況を2年ごとに見直すなど。

山内委員:誰の責務か主体を明らかに。府と保護者と府民。一般府民についても、精神規定、努力義務を書くべき。

土井座長:次回に、児童福祉の専門家の大杉委員と津崎委員の意見をまとめ意見交換。年度末なので、次回が円滑に行けば報告書をまとめて、検討会議の役割を終えたい。まとまらないときは予備日として3月も開催する。

次回第6回は2月22日(火)10:30より。

<レポート・錦野宝>

注:今回もお二人の方のレポートを掲載することができました。タヴァナーさん、錦野さんに感謝致します。(義月)
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