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京都府第4回児童ポルノ規制条例検討会議 傍聴レポート①

ご注意:この記事を引用される場合は、必ず引用元ととしてURLを書き添えてくださいますよう、お願いいたします。


京都府第4回児童ポルノ規制条例検討会議

平成22年12月27日(月)

議題
(1)児童ポルノの取得・所持の禁止について(意見交換)
(2)その他

出席委員:土井真一(座長)、安藤仁介、梅原義範、大杉光子、岡村久道、高山佳奈子、
津守俊一、山内康敬

資料
第4回児童ポルノ規制条例検討会議次第
第3回児童ポルノ規制条例検討会議の議事要旨
児童ポルノの取得・所持の禁止論点レジュメ(前回資料5と同じ)
関係法令等

事務局課長:本日は年末の大変お忙しい中、お集まりいただきまして誠にありがとうございます。本日9名の傍聴人がおられます。
前回ご出席の高橋専門委員の方から、【第3回児童ポルノ規制条例検討会議の議事要旨】2ページ波線部分につき、少し表現が分かりにくいとご指摘がございまして、ご確認の方お願いいたします。
それでは、議事の方に入らせていただきます。土井座長、お願いいたします。

土井座長:それでは、本日の議事を進めたいと思います。
前回のおさらいとしてもう一度、高山委員の方から、ご説明をお願いします。

高山委員:【児童ポルノの取得・所持の禁止論点レジュメ】をご覧頂きたいと思います。

1児童ポルノの定義
(1)対象児童の年齢
刑法の区別は、18才と13才。
刑法の強制わいせつ罪、強姦罪は、13才未満に対しては暴行・脅迫によらなくても成立する。
それ以外は、18才が限界。児童ポルノ規制法、出会い系サイト規制法、児童福祉法、青少年保護育成条例がある。
16才は、民法上女子の婚姻が認められる年齢。
15才は、中学生以下。

(2)規制対象画像
①画像形態
実在する児童を性的被害から守るということを考えると、犯罪的手段によって作られるポルノを中心に考えるのが適切であろう。
国の児童ポルノ法は、「衣服の全部又は一部を着けない姿態で性欲を刺激興奮させるもの」と、場合によってはかなり広い定義になる。
奈良県の条例は、国の児童ポルノ法の定義のうち13才未満を対象にしている。

②犯罪行為
最も重大な児童に対する性犯罪は、刑法の強制わいせつ罪、強姦罪、児童福祉法の児童に淫行をさせる行為が考えられる。強制わいせつ罪は、13才以上の男女に対しては暴行・脅迫を手段とするわいせつ行為、13才未満に対しては暴行・脅迫を手段としなくても犯罪が成立する。強姦罪は女子に対してのみ成立する。
なお、準強制わいせつ罪、準強姦罪は、暴行・脅迫を手段としなくても、精神的に抵抗が困難な状態の者に対して成立する。当然13才未満も含まれる。

刑法犯(強制わいせつ罪、強姦罪)の法定刑は、かなり重い。
児童福祉法も懲役10年が上限。
児童福祉法の「児童に淫行させる行為」は、単に性交するというだけでは該当しないが、性的ながん具を使わせる行為も該当することが判例上認められてる。
これよりも比較的軽い類型は、これも重大な犯罪だが、児童買春罪、特別法として出会い系サイト規制法、地方自治体の淫行処罰条例などがある。これら全部含めると、かなり広い範囲が児童に対する性犯罪となっている。出会い系サイトは性的な表現も対象になっていて、全体としてみると、手段の範囲が広くなってしまう。
諸外国では、単なる裸の写真1枚単純所持してるだけで処罰の対象としている国は、調べた限りでは見あたりませんでした。
①画像形態について、性器が露出しているとか、わいせつ性という内容の限定がついている。あるいは、重大な犯罪を手段として作られたという②犯罪行為の限定がついている国がある。文学的・芸術的に価値があるものは除く、性的にわいせつであるという規制方法を用いている国もあるのですけど、どのように判断の明確性を確保していくか、注意しなければならないと思います。

2規制内容
(1)所持・取得の範囲
現行法は、一定の目的による所持が処罰の対象で、単なる取得・単純所持は規制の対象になっていません。
なぜかというと、単に写真を持ってるだけでは、実際の児童に対する被害は直接に発生しうるものではないからでございます。
単なる取得・単純所持は、実際の児童に対する被害を間接的に及ぼしうるものかどうかの説明が必要となる。単に誰かがポルノを持ってることだけから、直接児童に対する権利侵害となるという印象論のような説明では刑罰法規の理由としては不十分と考えています。
諸外国では、児童ポルノが蔓延することによって、児童に対する性犯罪が引き起こされるきっかけになる、需要があるので供給があるのだから、取得や所持を処罰するという国が多いのであって、単に取得、単に所持したことから、実在の児童に対する被害が発生することを根拠として立法をしている国はないように思います。
国によっては、正当な理由を明文規定で、犯罪捜査機関、医師や弁護士、研究者など職業上の理由があるとき、または、文学、芸術、科学的価値のあるものは処罰対象から外している国もある。
明文規定はどのようなものがふさわしいか、あるいは設けないときは憲法の関係で処罰範囲が限定されるので、範囲の明確化が課題となる。

(2)規制方法
国の児童ポルノ法は、違反するとただちに刑事罰の対象となる直罰規定。
罰則をつけない単なる禁止は、たとえば、売春防止法。売春行為は刑事罰の対象となっていないが、売春契約が公序良俗に反して民法上無効となっているので、売春がビジネスとして大々的に行えなくなるという効果がある。
廃棄命令・間接罰には、ストーカー行為規制法。ストーカー行為を2回以上繰り返すと直罰のほか、つきまとい禁止命令に違反した場合はさらに禁止命令違反の間接罰がある。
たとえば、児童ポルノを持ってる人に廃棄命令を出し、違反した場合に刑事罰を科すことが考えられる。
ただし、廃棄命令の対象範囲を広く定義してしまうと、個人の幸福追求権との関係が問題となるため、適用上の注意として、権利の不当侵害・本来の目的を逸脱した悪用の防止を図っていくのが課題となる。

(3)罰則
都道府県の条例では、地方自治法により、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金が上限となっています。奈良県の条例では、法定刑が30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料になっていて、これと比較してより重い罰則をつけられるかも問題となりうる。
以上で終わります。

土井座長:では、高山委員のご報告について、ご意見はございますでしょうか?

大杉委員:レジュメの他に挙げていくべき論点として述べさせていただきます。
ひとつは、規制対象となる行為。現行法では、一定の目的の所持については規制されていますが、どういった形の所持か、提供目的所持、単純所持か、有償取得、無償取得かという行為態様、定義と関わりますが有体物、無体物を対象とするかも論点として挙がってくると思います。
それからもう一つ、国の法律の改正の動きもある中で、京都府の条例としてどこまでやるのか。法的に可能かという問題もありますが、全国的に統一してやるのか、京都府独自のものとしてどこまでやるのか、国と府の役割分担も論点となると思います。
今回の検討会議では、実際に被害を受ける児童をどう保護していくかという観点から、弊害がなく、かつ、効果的な方法なのかを考慮要素として各論点を考えていくべきだと思います。
取得・所持を対象とするとして、そもそも刑事罰を科すのかという問題もありますけど、捜査方法あるいは規制方法として、現実に行われている行為を、どのように把握して、どのように規制するのか、その把握方法を用いるのが妥当か、どんな弊害を生むのかの論点、また、捜査方法として想定できないようなものは、そもそも実効性があるのかも論点として考えなくてはいけないのではないかと思います。

土井座長:ありがとうございました。
規制対象となる行為を、取得か所持か、有償、無償、今は、提供目的所持がありますが、その他の目的を考えるか、単純所持に広げるか、それと国と京都府の役割分担をどう考えるかと、2点頂きました。
さらに加えるべき論点として、その他ございますでしょうか?

高山委員:大杉委員の補足をしたいのですけれども、有償取得と無償取得ではかなり意味が違ってきまして、刑法には盗品関与罪という犯罪類型がありまして、有償の盗品譲り受け行為は、ブラックマーケットを形成することによって、元の犯罪を行いやすくなる、窃盗を助長することから重く処罰されるのに対し、単に無償で盗品を譲り受ける場合は、元の所有者が取り戻すのが困難になることが中心となるため軽い処罰になっています。
児童ポルノの場合は、元の被害児童からの取り戻しを困難にする点も考えられますけれども、有償取得によって、ブラックマーケットが形成され、それによってさらに児童が犯罪の被害に遭うことが助長されてしまうと考えると、有償取得の方が違法性が強いと思います。
ちなみに、フランスは、単純所持も禁止していますが、基本的な処罰の類型は盗品関与罪に近いやり方で、児童ポルノのブラックマーケットの規制という考えで、有償を重く処罰しています。
もう一点、児童の保護は日本全国あるいは、全世界でも共通する問題ですので、条例で扱うことが適切かという問題もあります。都道府県の淫行処罰規定は、淫行は地域性がある行為なので、条例でカバーできるのに対して、インターネットは都道府県の地域を越えてしまうので、従来の青少年保護の枠組みとは根本的に違ってくることに注意が必要だと思います。

岡村委員:どうも詳しい説明ありがとうございました。
大杉委員からお話を受けて、無体物も含むかという点は、児童ポルノ法7条2項の「電磁的記録の保管」も含めると論点が浮かび上がりやすいのではないかと思います。児ポ法7条2項は、基本的には提供目的の所持となっているところ、目的を外して単純所持に拡張するのかどうか、拡張した場合には「正当の理由なく」と一定の限定を付すのか、全く限定がつかないことにはならないと思いますけど、論点整理をした方が明確かと思います。

土井座長:ありがとうございます。ほかに、加えるべき論点、いかがでしょう?

安藤委員:最終目的は、児童の保護ということに異論はないと思うのですが、たとえば、営利目的でなく、単に楽しむために持っていることまで踏み込むと、所持の目的について深めていった方が全体像が見やすいという気がいたします。

土井座長:所持の目的について議論を深めるというご指摘、いかがでしょう?

大杉委員:進め方ですが、ランダムに進めるのでしょうか、論点ごとの形でしょうか?

土井座長:最初は、自由に出していただいて、後半から深く論点を。

大杉委員:被害に遭う子どもを保護する、被害を防止することから考えますと、児童ポルノが製造されて広がってしまうのに対して、ビジネスとして成り立つようなことを防いでいくことを考えていくべきではないかと。
優先順位があると思いますし、国の法律が提供目的の方から禁止していることは、それなりの目的がある。そこから考えて優先順位、手段と弊害とのバランスを考えていくべきと思います。

土井座長:いまご指摘いただいた、所持の目的と規制の目的の2つがありますが、規制の目的について、実在の児童の権利保護を規制の目的と考えると、2つ考えられるだろうと、ひとつは、基本的に、児童ポルノを作成してる時点で児童に対して虐待が発生している場合が多数あると思います。13才未満の児童に対して強制わいせつ罪、強姦罪とかその時点で犯罪が発生している、そこを児童虐待と捉えて、それが起こらないようにするという視点がひとつ。この視点で所持の問題を考えると、需要があるから供給が起こる、したがって、需要をなくしてしまおう、そうして供給を止めようという発想で、取得・所持を規制しよう、という考え方。
もうひとつは、たしかに製造する時点で権利侵害が発生するけれど、その後、写真を誰かが持っていて繰り返し見る行為が行われると、児童にとって、姿態を見られてしまうこと自体が何らかの権利侵害を構成する、と考えるか、2つありうるところだと思います。
必ずしも排他的ではなくて、両方あり得ると思います。
高山委員自身は?

高山委員:私は前者しか刑法上は、認めないという立場に立っておりまして、たしかに、後者のような類型は、気持ち悪い、不快感、嫌だなあという気持ちが発生することはありますけど、それ自体で性犯罪が引き起こされるとはいえない。少なくとも刑法上ここまで対象とするのは内容が薄すぎるのではないかと思います。

土井座長:単なる禁止という観点は?

高山委員:ただ見ることによっては、楽しむ利益を認めるかどうかに関わりますけど、たとえば、芸術作品で、児童ポルノの定義に当たってしまうようなものに対して、性欲を解消するということは利益として考えられるのではないかと思いますので、そことのバランスが問題になってくるところでございまして、権利の不当な侵害がないようにと考えると、単なる禁止だけならあり得るのかなと思いますが、少なくとも直接罰則の対象とするべきではないと考えています。

土井座長:実在する児童の性的自由を害する、または性的虐待ではないかと解される画像を所持し、自らの楽しみのために見る自由が、あるのかないのか、を考えるのが禁止の問題と思うんですね。
その際、どの範囲のものを虐待と判断するか、また、禁止の実効性を担保するために、どういう制裁をかけるのか、直罰、単なる禁止、廃棄命令を課した間接罰か。
議論の出発点として、今言った自由はあると考えるか?

高山委員:犯罪行為を手段として作成されるものは見て楽しむ利益を保護する必要はない。
非実在児童というか、完全に作られたフィクションの画像でも同じような画像の代用で作品として鑑賞する、楽しむことは十分追求できることであって、やはり実在の児童の保護というのを考えることが必要だと思います。

土井座長:性欲を利益と観念するかは別ですけど、実在した児童を前提として従来から進めています。それを踏まえた上で、いかがでしょうか?

岡村委員:大変難しいものがございますけど、児ポ法の規制対象画像のうち、「衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態」は、「著しく性欲を刺激興奮」という一連の最高裁判決を彷彿とさせる限定がついています。子どもをいかがわしいビジネスの道具にして傷つける点では、「性欲を刺激興奮」の限定で、「衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態」を対象とするのは、それなりに分からなくはない。
趣味で所持するのを、どう評価するかということですが、私はそんなものを保護したいとも思わないわけですけれども、かといって、刑罰の対象にしたり、法規制の対象とすることは別の話であって、保護したくないから禁圧せよというのは、また幅のある話だろう。
ただ、単純所持で趣味が対象となった場合に、「衣服の全部又は一部を着けない姿態」について、誰でも家族の写真、子どもと一緒に風呂に入ってる写真もあるわけですので、趣味を保護するかしないか以前の問題として、単純所持と結びついた「性欲を刺激興奮」要件がどれほどの限定があるのか、提供とは異なるのではないか。
これを正当な理由で限定しても、直罰の対象としては厳しすぎる。写真が一般家庭で通常の性的道義観念にある状態でも直罰の対象とするには厳しすぎるという印象を抱いております。

土井座長:当然の権利だとして楽しむ画像の範囲は異論があるだろうけど、直罰は厳しい。個人の生活の関係でも問題が大きくなる。
児童ポルノの定義が必ずしも客観的には決まらない、主観的要件にまで拡大すると、範囲が不明確となって、市民が刑罰の危険にさらされてしまう。直罰の範囲についてはさらに限定して考える必要があるんじゃないかというご意見がございました。

岡村委員:若干補足しますと、仮に直罰にしたところで行きすぎは良くないのでは。別に、直罰が望ましいという趣旨ではございません。

安藤委員:目的を考えたときに、芸術とわいせつの違い、チャタレイ裁判が典型ですけれども、最後は誰かがシステムを作って決めないと難しいと思います。
2つの考え方があると思いますが、小さい頃から自由に手に入る状態にして、免役をつけていけば、自ずと社会的に許容範囲の枠が決定されるという考え方。他方は、放っといたら行き過ぎるから、厳密に規制するという考え方、その場合、所持が一番問題となると思いますが。
そこのところを十分考えてやらないと、システムは作ったけど機能しないことになる。

高山委員:言い忘れてしまっていたことなんですが、児童ポルノをたくさん見ると児童に対する犯罪行為に走ってしまうという意見は、科学的には証明されていません。諸外国を見ても、児童ポルノを見ると性犯罪に走るという考え方は、一般的にはとられていないと思われます。
性欲が解消されて犯罪が減るという意見と、感覚が麻痺してしまって規範意識が薄れて犯罪が増えるという意見と両方あるのですが、科学的にどちらが正しいとは、どちらも立証されていない状況です。
少なくとも、画像があると犯罪が増えることを処罰の根拠とすることは難しいと思われます。
私自身の意見としては、たとえば、大人のアダルトビデオをすべて禁止してしまえば性犯罪は減るのか増えるのか、というのを想定しますと、この点は児童ポルノも基本的な違いはない、と思います。

土井座長:児童ポルノを見ると児童に対する犯罪の原因になるかを正面から考えると、実在あるいは非実在という議論も出てくるのでしょうけど、実在を前提とすると、児童ポルノの流通が権利侵害かという議論になると思います。
児童ポルノの定義を前提とすると、どうしても主観的な要件を含む問題が出てきて、その部分に直罰を広げると、解釈問題が出てきますので、一般の市民を刑罰の危険に晒すことになるというご指摘はその通りだと思います。
他方で、13才未満の者に対して、わいせつ、強姦の犯罪を記録した写真を、一番悪意があるのは有償取得、または所持している行為、これについて刑事罰を科すことをどう考えるか、委員の考えをうかがっていきたい。

岡村委員:取得イコール所持した状態も含むわけですが、条例で決めることの難しさ、国法レベルではなくて、条例で決めることに果たしてどういう実効性があるのか、先行する奈良の条例では見えてこない。罰則あるなしを問わず禁止規定を置いたときの条例の限界、あと、いずれ国で単純所持の議論がなされる中、条例で先行することのメリットが奈辺にあるのか、という気がします。

土井座長:条例で規制することの必要性、合理性の問題はあると思います。
他はいかがでしょうか?

大杉委員:児童ポルノの定義と絡んでくるのですが、13才未満のわいせつ・強姦の記録は核心部分にあたると思いますが、見る自由はどうかという話がありましたが、被写体の見られたくない利益を侵害することはあるだろう。
そこで、所持する行為を処罰なり規制の対象にして良いのか、弊害との関係を考慮して捜査手段、把握方法を選ぶことになる。
つまり、単純所持はどのように発覚するのか、捜査機関、規制する側がどのように把握する方法は難しいものがあると思います。
単に画像を持ってるだけでは外部からは分からないわけです。誰かに見せびらかすと提供として処罰対象になりますが、誰にも見せず自分で所持しているだけの場合、どのように把握できるか、議論をしていかなければならないと思いますが、規制方法があるとしても冤罪の危険というか、不当な範囲の拡大になりかねないことになってきますので、捜査手法との兼ね合いでは、単純所持を取り締まることは難しいのではないか、と私は思います。

土井座長:ありがとうございます。
捜査の端緒をどうするかという問題だと思うんですね。
ひとつ考えられるのが、提供者がある、その結果、提供先が判明する、取得に刑罰を科せる。それを原因に捜査したところ大量の児童ポルノ画像が出てきた。
しかし、他の画像の入手経路は不明という場合、持ってることだけは確認できるという場合が所持の構成要件に当たると思うんですね。
大杉委員ご指摘のように、所持から入るのではなく別のルートから出てくる場合がある。所持それ自体での捜査は難しくて、なんとなく嫌疑があるからと言って、勝手に他人の家に入ってパソコンを見ると言うことはできませんので、合理的理由が必要になってきますので、単純所持、取得を規制するときも、何らかの端緒があって発見した児童ポルノを処分することが前提となる。処分だけで言えば、廃棄命令を出してなくさせることが現実的だろうかと。
需要があるので行為規範としてなくしたい、建前として禁止する、かつ、禁止について刑事制裁がありますよ、というのが取得・所持に対する規制の仕方ではないかと思います。
その際も、画像の内容、刑罰の危険性との関係で、どういうふうに対象を絞り込んでいくのか。
所持の場合、所持の意思の確認というのが問題となる。
送りつけられた、あるいは、オフィスの机の上に勝手に置かれたとか、所持してる外形があっても、所持の意思がない場合がありうる。

岡村委員:おそらく、机の上にそんな物が勝手に置いてあったということはないと思いますが、単純所持に実益があるとすると、口頭の約束で調書を取れない、誰が受け取ったかも分からない、所持の意思が確認できず、目的立証が難しいときに、有効に機能することがあり得るだろう。
単純所持は牽連犯になるのでしょうか、前法と後法ですから、微妙ですが、要するに、他の罪名に該当することで、重く処罰できる可能性があるということがあると思います。
われわれ弁護士からすると、「捨てないと刑が重くなりますよ」と情状の問題で、実際上はすべて廃棄させることができると思います。
にもかかわらず、弊害とか漠然性、あるいは、国法で議論される前提の下で、条例の守備範囲と絡んで、果たして条例でやるべきことは、罰則をつけることなのか、それとも被害児童のケアをむしろ中心におくべきなのかという気がいたします。

土井座長:役割分担については、地方分権が進んでいてかつてほど国法中心という形ではございません。売春防止条例、青少年保護育成条例など性的な問題について地方自治体が先行してきたことはございます。
インターネットの問題もあるが、インターネットそれ自体の規制は一地方自治体としてできることではない。
ただ、京都府民として所持しない、取得しない、広げないというのを明確にすることは、排除されない。横出し、上乗せ条例の可否の点が問題となる。ただし、実効性の問題はある。
最低限やっていかなければならないのは児童を守ること。

大杉委員:捜査の端緒で、たとえば、単純所持以外の、提供目的、製造販売等、そういう嫌疑があってガサに入って、実際には容疑が立件できなかった。そこに画像が大量にあれば提供目的で立件できる。そうでなくいくつかあった場合、単純所持で立件していいのかと。別件のようなやり方をしておいて本件ができなかったから所持で行くのがいいのか。
いわゆる別件逮捕的な形で使われる余地を残すことの危険性は考えるべきではないか、と思います。実際上は、処分した方が良いよと、情状のレベルで廃棄するのは良いと思います。
別件も弊害に含めて考えていかないといけないと思います。

土井座長:別件の問題はたしかに重要な問題だと思います。
ただ、殺人の容疑で入って児童ポルノで逮捕して、そこから逆に殺人の捜査をするのはもろに別件だと思いますが、提供目的の所持で入って、提供の故意が立証できなかったので、単純所持で処罰することは、殺人の故意が立証できなくて傷害致死でやるというのに類似してる部分もありますので、問題ある捜査として注意は必要といえるが、提供、取得、所持と一連の関連のある児童ポルノ事件の中では、かなり高い危険を持つとは思いません。
その他、ご意見ございますか?

津守委員:私は、最初の会議で、いろいろな雑誌・図書を青少年の健全育成ために調査していることもありましたので、厳格にやって欲しいと申し上げましたが、議論の経過を聞いていきますと、やはり実在の児童に限るという論点に絞らざるを得ないのかな、もうひとつはビジネスに絡んでくるものについては強い規制をかけていく必要があるのかなあと思います。
私は、法律の専門家ではございませんので、単純所持については、かなり難しい議論をしなくてはならないし、相当厳密にやっていかないと規制の対象にしにくいなあと感じています。
高山委員、岡村委員、大杉委員、等等のお話を聞いてございまして、自分の思い描いていた、大きな網を掛けてもっと厳しくしてほしいという思いが、なかなか実現しにくい非常に微妙な議論があるのだと思い知らされているところでございます。

梅原委員:いろんな情報をずっと聞かせていただいて、核心に迫るようになってきて、大変難しいことになってきたと思います。要するに、所持の状態像のみに目を向けて、一刀両断に刑事罰を科すというのは大変困難なことであることは、よく分かりました。
所持の構成要件、目的とか入手経過、製造されたいきさつについて、すでに条例で罰則ができている例はあるのですけれども、その部分はしっかり条例として明記して、縛りをかけていかなければならないなあと感じています。
結局は、人権を守るという、拡散をさせない状態像をどう作っていくのか、ということがその都度言われてきました。その拡散をさせない支援を条例の規定の中にどう活かしていくのか、これが大事だなあと思っています。
それと国の流れというのが変わってきて、前回説明いただいた、アドレスリストの作成管理団体設立準備委員会の新聞記事が載っていました。インターネットの規制は前回の会議でなかなか難しいと了解しまして、その部分でなくて、所持のあり方とか、結果的に人権が守られない児童をどう守っていくか、被害児童の保護をどうしていかなければならないかという点について、条例でどうしていくかと、これが大事ではないかと思っています。
以上です。

土井座長:どうもありがとうございました。各委員からいろいろご意見を頂きました。
最初に確認しないといけないので、実在の児童の保護が大前提で考えますと、やはり、児童ポルノに対する需要があるから供給が行われるのではないか、そう言う意味で、児童ポルノビジネスを抑止するために、何らかの需要側をコントロールする必要があるのではないか。
そのことと、写真その物が流通する、あるいは見られることについて、児童の権利侵害と構成するか、2つがあるだろうと、思います。
それを前提にした上で、禁止になるか責務になるかはともかく、府民として、児童の性的虐待と解される画像については、所持しない、提供しない、求めないといったことを原則として明確にする方向を考えるべきと思います。
単に重くすればいいというものではなくて、禁止方法にはいろいろな方法があり得て、長所と短所があります。禁止の実効性を考えつつ、どういう方法を取るか、どういう画像を対象とすべきかということを、慎重に段階を踏んで検討していく必要があるのだろうと思います。
所持・取得の規制について、有償取得か、無償取得か、芸術目的、正当な目的の所持を除外していく配慮が必要なんだろうと思います。
繰り返しになりますが、国の動向と自治体の役割を踏まえた上での検討が必要だと受け止めました。
次回も、取得・所持の議論を引き続き行いますが、一定の方向性を示していく必要もありますので、高山委員の方でこういう形の規制が考えられるのではないかというたたき台を出していただいて、次回それを提起させていただいた上で、更に議論を重ねていきたいと思います。
次回の議題を確認しますが、次回は取得・所持の禁止について引き続き行うとともに、関係者の責務、府民の責務についても議論を進めたいと思います。
以上でございます。

事務局課長:それでは、事務局の方から。
次回第5回は、1月31日月曜日、午前10時30分から開催の予定でございます。

<レポート:錦野宝>


注:同じ検討会を二人の傍聴者にレポートをあげてもらいました。(改行等は一部義月が行っております)どちらもお読みいただいき参考にしていただけましたら幸いです。
錦野宝さん、タヴァナーさん、ありがとうございました。

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