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京都府第6回児童ポルノ規制条例検討会議 傍聴レポート

ご注意:この記事を引用される場合は、必ず引用元ととしてURLを書き添えてくださいますよう、お願いいたします。


京都府第6回児童ポルノ規制条例検討会議

平成23年2月22日(火)

出席委員:土井真一(座長)、安藤仁介、梅原義範、大杉光子、岡村久道、高山佳奈子、津守俊一、山内康敬

議題(1)検討結果のとりまとめについて(意見交換)

土井座長:「児童ポルノ規制条例検討会議 検討結果報告書(案)」をもとに意見をうかがっていきたい。

土井座長:まず「報告書(案)」の説明。
2・3ページ
Ⅰはじめに
Ⅱ条例検討の背景及び目的
「児童ポルノは児童の性的虐待の記録であり、児童に対する人権侵害である」ということを前提。児童ポルノの被害から児童の人権を保護し、被害児童の救済を図ることを目的とする。
5ページ
Ⅲ条例に盛り込むべき内容
1条例の基本的な考え方
被害を受ける児童の立場に立って、児童の人権侵害を許さないことを基本理念。現存の児童ポルノの廃棄。新たな被害を発生させないよう、個人の私生活上の自由に配慮し、取得及び提供目的以外の所持に対する実効的な規制。漫画・アニメ等は含まず、実在の児童を被写体とするものに限定することを確認。規制のみを先行させることなく、啓発や支援を重視した総合的な施策の展開。
2被害児童に対する支援
被害児童の支援は本検討会議の共通認識。
6・7ページ
3児童ポルノの被害から子どもを守るための規制
(1)インターネット上の児童ポルノの閲覧に関する規制
ブロッキングなどインターネットの閲覧に関する規制は全国的な対応が必要な問題であり、条例においては関係者の責務にとどめる。
(2)児童ポルノの取得・所持の禁止
被写体の児童の人権を守るため、正当な理由なく、児童ポルノを取得・所持することを禁止。現存する児童ポルノをなくしていくために、性的虐待の程度が高いと認められる画像に廃棄命令と間接罰。1・2号の画像が対象、3号を対象とする場合は客観的に明確化する必要。直罰は、冤罪防止と特に違法性の高いものに限定し、1・2号の13歳未満の児童の画像を正当な理由なく有償取得することを対象とすることを基本。流通・拡散防止のためには、電磁的記録を対象とすることが適当。ただ、プロバイダ事業者には全国的な対応が望ましいから、現在の取り組みを最大限活用するよう協力を求める。
10ページ
4関係者の責務
府の責務として、児童ポルノ根絶の広報・啓発活動。子どもの情報リテラシー教育の推進。府民及び関係事業者の責務。
12ページ
Ⅳ条例制定に当たり留意すべき事項
冤罪のおそれや捜査、調査における適正手続を留意。

土井座長:前半はⅠ、Ⅱ、Ⅲ1「基本的な考え方」2「被害児童に対する支援」4「関係者の責務」について、後半はⅢ3「児童ポルノの被害から子どもを守るための規制」Ⅳ「条例制定に当たり留意すべき事項」について意見交換。

大杉委員:5ページⅢ1「条例の基本的な考え方」のところ、「啓発・教育」を軽視していると受け止められたくないので、独立の項目としたい。

土井座長:基本的な枠組みはこのまま。責務とかぶる。「啓発」「支援」「規制」の3つが目次を見たときに分かるように表現を考える。

津崎委員:一連の流れで啓発が出てくるから、私は重複しても構わないから、5ページ「基本的な考え方」の①②③の中で「啓発」の項目を入れればいいと思う。

大杉委員:被害を受ける可能性のある児童への支援として「教育・啓発」活動が目次段階で分かるよう強調。

土井座長:この段階で構成をいじるのは難しいが、表題で啓発・教育が重要だと分かるよう表現を工夫。

岡村委員:10ページ「府の責務」の最初2つは教育・啓発。11ページ「通報窓口の周知」は被害児童支援の方。(2)(3)も教育・啓発とは違うものがある。論理的にには違う。責務イコール教育・啓発では必ずしもない。教育・啓発「等」。2、3ページⅠはじめにⅡ背景及び目的に「回収は事実上不可能」とあるが、回収が難しいのはインターネットに限った話ではないので、「一旦インターネット上に流通」の前で文章を切って、「インターネット等」として、インターネットだけ注意すればいいという誤解を与えない表現にする。

土井座長:表現を工夫して調整する。

大杉委員:5ページⅢ「基本的な考え方」について、親の気持ちから入るのは違和感。子どもの立場から入るのが適切。大多数の親は子どもを守るが、まれに子どもを売る親もいるので、人権保護の観点で、まず子どもの立場から書き始める。

土井座長:「親」というより「府民」一般。条例を制定する府民の願いとして書いてある。

岡村委員:「子ども本人はもとより」としたら。未成年の人格権を認めないという誤解を生まないように、子どもが主となる書き方を提案。

土井座長:「親」を「府民」に修正。「親子」だけの問題にしたくない。

大杉委員:一番重要なことから書き始める。子どもは条例制定に関与できないが、子ども自身の問題。条例の目的は、子どもに対する人権侵害を防ぐということ

土井座長:趣旨は分かるので異論はありません。内容でなく表現上の問題。

岡村委員:「親」よりは「保護者」の方が正確。

大杉委員:3点。5ページ。2「被害児童に対する支援」について、児童相談所や犯罪被害者支援センターの報告に関して、児童ポルノの被害相談受付の状況、実際の連携がなかったという現状を認識して、それを踏まえてこういう支援が必要であるという書き方が必要。2つ目、6ページ【考えられる具体的な取り組み例】について、児童ポルノによる性的虐待に対応できる専門的な担当者を行政配置。無料の医療カウンセリングの保障。被害相談の入り口の部分となる子どもと接することの多い職種に初期対応の研修。3つ目、支援に必要な予算と人員の配分措置を検討会議として積極的に府に求める。

土井座長:個別の担当機関を挙げて対応が不十分かどうかについては調査が必要で、報告書に書き込むには限界がある。立法事実としてもっと取り組みを充実すべきだと記載することはある。支援の具体的な取り組みはある程度抽象的にならざるを得ない。支援に必要な体制の整備は重要であるが、財政的人的資源の配分は報告書で拘束的なことを書くのは難しい。

津崎委員:大杉委員の補足的な説明。私自身、約35年の児童相談所の実務経験の中でも、児童ポルノの被害相談は少ない。おそらく被害児童の特定が困難であるということがある。児童虐待防止法では被害の通報義務があり、特定したら保護しなければならない。児童虐待の専門家は児童ポルノ、性的虐待の担当だけに特化してない。児童のケアは、児童虐待の全体について包括的に対応するスタッフを配置して支援している。

土井座長:具体的な対応はケアの専門家に。

大杉委員:10ページ。4関係者の責務(1)府の責務「啓発」について、被害を減らすため、加害者予備軍というか加害行為を起こさないよう啓発活動。児童に対する人権侵害であるという認識を浸透させる。被害の深刻さ、児童ポルノを享受することが被写体に対する人権侵害となることを啓発。11ページ「被害を予防するために必要な教育」の中身をわかりやすく。子どもへの教育として、CAP(子どもへの暴力防止プログラム)など具体的な例をあげる。子どもがNOと言える、信頼できる大人に相談できるよう教育。

土井座長:「広報・啓発」の相手は府民一般になるので抽象的にならざるを得ない。個別の教育活動の具体例を書くのは難しい。

大杉委員:予備軍を特定できるわけではないので、大人一般に教育・啓発していくと被害の予防になるという趣旨。

土井座長:後半の規制の方に移ります。

大杉委員:7ページから9ページ。現状では、直罰には反対。廃棄命令の具体的内容が明らかでないので反対。内容がよく分からないのに規制に賛成とは言えない。すべての委員が規制に合意したとされることは納得しがたい。少数の反対意見も明記すべき。

土井座長:少数意見は、12ページⅣ「条例制定に当たり留意すべき事項」に反映していると考えている。

大杉委員:7ページの総論のところで少数意見を書いて欲しい。

土井座長:7ページ5段目「以上のような認識に基づき、」以下の文に続けて、「なお、現段階では条例で規制を定めることに慎重な意見もあった」というような表現を入れる。

大杉委員:「廃棄命令」はまだ検討不十分。ストーカー規制法を例示したが、具体的な形ができていない。直罰より緩いが罰則があるのは確か。廃棄命令を出す前提となる行政「調査」は、刑罰のない任意の調査としても所持品検査などの問題がある。女子学生が先生の持ち物に忍び込ませることもあり得る。

岡村委員:行政が調査することになると、私人に報告義務を課すことになり、それに対する間接罰がつくことが行政手続では多い。ひろく私人に報告徴収を課すことになると、「持っていない」「答えられない」と言うと虚偽報告、報告懈怠と判断される可能性もあり、逆に権利侵害になる懸念もある。

大杉委員:仮に廃棄命令に従って処罰は回避できたとしても、報道されてしまうと風評被害があり得る。本人の意図しないところで他人が紛れ込ませた場合でも社会的信用が失われることがある。調査の仕方や廃棄命令の手続をちゃんとしないと危険。

土井座長:行政が主体になって廃棄命令を出すときは、その前に「捨てて下さいませんか」と行政指導があるのが通例。行政調査に強制力は付与しないという留意規定をつける。行政調査にも具体的根拠が必要となる。社会的信用やプライバシーを最大限配慮する。廃棄させることが本質。廃棄命令に対する制裁は、刑事罰のほか過料等の行政罰などの方法も考えられる。具体的な条例、手続まではこの会議では詰められない。次の段階の議論で留意事項として報告する。

岡村委員:行政調査の要件は「必要と認めるときは」または「何々があるときは勧告することができる」となることもあるが、廃棄命令は警告なしの緊急命令となることもある。廃棄命令には制裁があることも慎重な検討が必要。もう一つは、報告徴収の手続は通常の業法規制と異なる。「業として」所持するケースは想定しにくいので、報告徴収に対する制裁には慎重にすべきことを報告書に記しておく。

土井座長:行政調査は任意が原則。報告徴収が廃棄命令違反より重い罰則が付くことはない。制裁が必要かという点も慎重に議論。

大杉委員:7ページ3段目。「本来は法律で全国的に規制していくことが最善」というより、本来が国の法律でやるもの。他地域でなく、京都府の条例でやらねばならない必要性、立法事実は明らかになっていない。あと、現行法では公然陳列目的の所持も入る。

土井座長:7ページ。「所持等」をもう少し正確に書く。性的な規制は、売春防止法、淫行処罰は条例が先行してきたものがあり、必ずしも国法のみで条例の対象とならないわけではない。ただ、インターネットは技術上、条例ではできないとしている。

大杉委員:(2)「府民の責務」は、公権力のコントロールの視点からは、そもそも疑問。内容は良いとしても府民に義務を課すのはどうか。5ページ「児童ポルノ根絶に向けて府民全体で取り組んでいく気運を醸成」も「児童ポルノは人権侵害であるという気運を醸成」とした方が適切。

土井座長:このような形の法律はよくある。一般論として、市民一般を名宛人にするにはそれなりの根拠がいる。

大杉委員:2ページⅠはじめに「“京都市PTA連絡協議会”及び“人づくり21世紀委員会”が共同して児童ポルノの規制強化等に関する街頭署名」とあるが、この検討会議では署名を見ていないので違和感。府知事宛に署名が提出された事実はあるが、この会議では検討していないので、検討会議でなく、府が出す文書で扱うべき。3ページⅡ条例制定の背景及び目的「また、京都は日本を代表する国際的な文化都市として」以下のくだりは議論していないし、意味が分からない。9ページ「児童に対して物品や食事を引き替えに児童ポルノの提供を求める」というケースは検討会議では出ていない。そもそも、直接子どもに対して「写真をくれ」と迫ることは、現行法の児童ポルノ提供罪の共犯ないし正犯にあたるのではないか。

高山委員:年齢が非常に低いときは、子どもを道具として利用する間接正犯となる。しかし、12歳の少年を強盗罪の共同正犯としている判例もあるので、その程度の判断能力があるとされると、子どもが共犯とされる可能性もある。4ページ【参考②】にあるケースのように、児童本人が加害者となりうる現行法の運用は良くないと思っている。やはり児童は被害者とすべき。児童の保護は京都府に限った問題ではないので、本来は国の法律で取り組むべきもの。世界でも取り組むべき課題。自治体がパイロット的に取り組むこともあり得る。

安藤委員:20年あまり国際的な人権擁護の活動をしているが、「日本は児童ポルノ天国」と言われてきた。日本の態度を明らかにすることが重要。

土井座長:全国的に児童の保護に取り組むのが良いが、地方でできないわけではない。なぜ京都でやるかというと、国際的な規制の流れ、外国人や修学旅行生も多数受け入れている国際都市で、京都として積極的に取り組むと説明できないわけではない。PTA協議会の署名は、検討会議には出ていないが、署名を受け取った府知事がこの検討会議を招集したという経緯がある。PTA関係者にも専門委員として出席していただいたので全く無関係というわけではない。

大杉委員:7ページ(2)取得・所持の禁止の総論段階で規制の弊害にも触れておくべき。

土井座長:弊害の内容は、Ⅳ留意事項にまとめて記載。実際に条例案を作成するのは、本会議の報告書・議事録をもとに次の会議で検討してもらう。

今回で検討会議は終了。

<レポート・錦野宝>
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